今回から週刊少年マガジン連載「不滅のあなたへ」を考察対象作品として加えていきます!
「聲の形」や「マルドゥック・スクランブル」で有名な大今良時先生の最新作です!
2016年11月9日発売の週刊少年マガジン50号から連載がスタート。
「このマンガがすごい!2015」オトコ編で3位にランクインしました。
ストーリー設定が独特で少年漫画に多いバトル要素を持ちつつ、それとは別にオリジナリティーを感じさせる世界観が面白いですね。
それではここからは115話のあらすじです。タイトルは「復活者の宴」、前編後編交えて書きました。
前回114話では、エコのもとにたどり着いたカハクがノッカーを自分の体に戻ました。エコはカイに救出され、カハクはフシたちのところには戻らないときめます。
一方レンリルは、ボンの持つ不思議な能力と不死の能力が合わさり、死んだ人たちを生き返らせることができるというぶっ飛んだことになりました。ノッカーたちは今のフシには勝てないと悟ったらしく、攻撃の手を引きます。都レンリルに戦いのない日々が――
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活気づくレンリルの街
ノッカーとの戦いが終わり、
街は再び活気づく。
69話でフシが見つけた人形を手にマーチがレンリルの街をぶらぶら、平和な街の様子。
108話でカムがユイスの母にミゲルを救い連れてくると戦いに出る描写がありましたが、そのミゲルがユイス母のもとに帰ってきます。
目を覚ましたユイスはカムと対面。「本当に無事でよかったわっ!」と左腕を失くしたユイスが言うと隣で「無理しないでユイス」とセラ。
ユイスが自分たち家族のために戦ってくれてありがとうと言い、カムの体に触れると「もう少し離れないとミゲルに怒られちゃうぜ」とあたふたするカム。
「どうして」と問うユイスに対して「君の彼氏だろ?」とカムが言いますが、ミゲルはユイスの母の彼氏だと告げられます。
「よかったな カムーーー」
場面は変わります。
(ドッ)とメサールが兄に一発殴られた模様。アルメの死を持ち出した兄はメサールを「閉じ込めておけ」と部下に言います。
そんな兄の態度にハイロとカイが反発。すると、考えを変えた兄はメサールをレンリルから追放すると言います。
メサールたちがその場からいなくなった後で「誤解です」と部下に言われますが、そろそろベネット教の過激派が街にやってくる、あいつらがいなくなった方が守る手間が省けるとメサール兄は先を見越しての判断だったようです。
場面は変わり、トナリとマーチが風呂に入って気持ちよさそうにしている描写。
「湯加減はどう?」「熱くない?マーチ?」とリラックスムードの二人。
フシとグーグーはみんなのご飯を作っていたようです。
グーグー:「皆!!メシができたぞー!!さー喰った喰った!!」
フシ:「久しぶりに一緒に作ったよ!」
と肩を組む二人。
しばらくするとそこに不滅の戦士たちが集まり、食卓を囲んでの宴が始まりました。
なつかしい仲間。新たな仲間。試練を乗り越え、今一つに。
以上が115話の前半部分でした!以下、残り半分を書いています。
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この後みんながしたいこと
長き戦いが終わり―――
不滅の戦士たちが食卓を囲んで会話をしています。
「酒爺もピオランもリーンも忘れたままかぁ~」とグーグー。
残りはカハクが持っているとカイが付け加えます。
カハクをどうするつもりか、とトナリがフシに尋ねると「いつか会いに行くつもりだよ」と静かに答えます。
それにしてもあと10日でここレンリルを出ていなかないといけないなんて頑張った甲斐がなかったな、とトナリ。
つまり僕たちは戦いから解放されて自由を手に入れたとハイロ。
フシ:「ねぇ 皆はさ」「このあと何がしたい?」
「皆の夢さ」「欲しいもの やりたいこと 今までできなかったこと…!」
トナリ:「丈夫な足腰で人生 遊び直したいもんだねぇ」
グーグー:「俺は筋トレ部屋が欲しいなぁ!」
ハイロ:「おいしいパンを作れるようになりたいと思ってた時期がありました!!」「チャンスがあれば店でもやりたいですね!!」
カイ:「自分の工房を持って剣を作って余生を過ごしたいですね!」
メサール:「スケベな女!」
とみんなそれぞれの夢を語ります。
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マーチの願い
それを聞いて「皆 利己的だな」「僕はもちろん世界平和だよ」とボン。
「そうだ」、世界平和がないと夢は叶わないとフシ。
「それがあればマーチも大人になれる…?」「ママになれる?」とマーチ。
「ああ」とフシ。今度はマーチがフシに夢を尋ねます。
自分の夢はみんなの夢を叶えることだと言うフシにグーグーが「夢を語ることは恥ずかしいことじゃない」と気を使いますが「本心だよ」とフシ。
フシは今度はレンリルの外側までをも平和にすると言い出しました。
グーグーとハイロはフシについていくと言いますが、今度はより広範囲に意識を移すから会話をしてる暇すらないというのがフシの意見。
「エコちゃんはどうすんだ?」とメサールが問うと「エコは死んだよ」と唐突な事実が。
せっかくの楽しい宴の場で話題にしたくなかったとフシ。
フシはエコやみんなが生き直してくれるんだったら、それぞれ自分自身のために生きれるような世界を用意したいと言います。

「不滅のあなたへ」115話「復活者の宴」より/大今良時
そんなこんなしていると突然エコが現れます。
相変わらずしゃべることはなく、テーブルにあった春巻きを食べ出します。
マーチ:「いやよ…」「せっかく会えたのに またはなればなれ?」「ふーちゃんをおいていくなんてできないわ…!」
みんなと一緒にいれないと言うフシに怒り奮闘のマーチです。
マーチ:「こんなの死んでたほうがましよーーーー!!」
わああああああと泣き出すマーチ。
そこに現れたミスターブラックこと”観察者”に向かい「止めてくれたのか」「ありがとう」とフシ。
「じゃあ」と言うとフシは部屋に戻っていきました。
8日後―――
レンリルを去る不滅の戦士たちとそれを見送ろうと集まってきた街の人々。
「あれ?トナリさん達は?」とカイが思い出したように言うと、ハイロが「捜してきます」と動きます。
グーグー、トナリ、オニグマがフシのいる部屋の前にいるのを見つけるハイロ。
椅子に座り意識を広げているフシの足元にマーチがうずくまっています。
トナリ:「マーチはずっとああしてる……」「フシはゆすっても もう起きないんだ……」
マーチの気持ちがすごくわかる、とトナリが泣き出します。
それを聞き「俺だけはこの中で唯一 悪人になれる言い訳があります」「俺にできることは?」とハイロ。
ラストのコマで「フシに怒られるな」と言ったのはトナリでしょうか。
勝利のよろこびと、
耐えがたき別れと共に、
次号、第1部「前世編」完結。
115話「復活者の宴」、以上です!
最後の「フシに怒られるな」はグーグー。マーチのことを慮りながら涙していたトナリが片手で覆い被せて持っていた薬瓶。のちのグーグーに関する記述に出る「マーチと同じやり方で…」という文章から、もう助からない人間を苦痛なく死に導く、所謂安楽死の薬と考えられます。「自分なだけは悪人になれる」と申し出てくれたハイロに実行犯となって貰い、マーチになんとか薬を飲ませたのだと考えられ、それを見ていたグーグーはその行為を止められなかったことを、「フシに怒られる」と言ったのだと解釈しています。